家具製作図の中に上皮を剥いだ状態の木のパーツまで含まれた珍しい仕事でした。それも3本分。幹の部分は製材所で簡単に手に入りますが、枝は通常、山で払われてしまうので、入手に思わぬ苦労をしました。しかも皮剥ぎは我が社でしなければならず、それは手間の掛かる大変な作業でした。
こうして綺麗に組み上げられた写真を見て、初めてデザイナーさんの意図が解り、その一助となれて嬉しく思いました。
とても思い出深い作品です。木部は弊社(鳥取)、金物部は(大阪)の業者さん。お互いに一度も打ち合わせ無く、ただ図面に忠実に作らせて頂き、現場で初めて合体させたものですが、寸分の狂いもなくピタリと仕上がったことに、両社びっくり!!奇跡的な出来事(しかもR型で)と、お互いを讃えあったものです。
十数年まえの作品ですが、弊社制作家具の中では最高級と言える家具です。
とにかくすべて慎重に作らせていただきましたが、中でも苦労したのは、塗装でした。気品と高級感だけでなくアンティークな仕上がりになるようにとの依頼に、幾度も色合わせを繰り返し、塗装屋さんにも無理難題を言ったものです。
納品後に「ブラボー!」の言葉を頂き、全ての苦労が一瞬に吹き飛びました。
○様邸の庭に長年放置されていた、蔵をこぼした梁で、こんな素敵なリビングセットが出来上がりました。重い素材の細工はとても大変でしたが、塗装もその良さを生かすかのような仕上がり、予想以上の出来栄えに○様も心から喜んでくださいました。職人冥利に尽きる仕事の一つです。
納品が済んでふと天井を見上げて、あまりの素晴らしさにびっくり、おもわずパチリ。